1. はじめに
こんな生きづらさ、日々感じていませんか?
・些細なことで落ち込む
・他人の目を気にし過ぎてしまう
・人との関係性の意味を考えてしまう、人が怖い
・「○○しなければ」で動いている、やりたいことがない
・朝暗い気持ちで起きる
・生きていることが不安
こういった生きづらさを改善するためには、「自分に優しく接する習慣」を身に付けることが有効です。「自分に優しく接してあげてください」と言われても、ピンと来ない方の方が多いかもしれません。メンタルケアとはいえ、気休め程度に受け取られる方も多いでしょう。けれどこれは生きづらさ軽減のための、科学的で、主戦力となりうる方法です。なんとなくでも理解して帰っていただけたら嬉しいです。
2. 生きづらさの原因
あなたが感じる「生きづらさ」が上記に当て嵌まるようなら、健康に生きていくための、あなたのこころの基盤(潜在意識、脳)は、整っていない状態だといえます。
人は無条件の愛情を感じ、安心を感じることで、他者との交流を前提とした社会生活を送るための基盤が整い、社会的な生き物である人間としてのスタートラインに立つことができます(かなり強調した言い方をしました)(関連記事:「教育の理論」)。これは「自分には価値がある、人は皆味方だ」と、無意識レベルで信じられている状態であり、だからこそ他者と交流し、自分のやりたいことをやり、義務や不安感と適切な距離を保って生きていけるのです。
反対に生きづらさに悩む方たちは、多くの場合無条件の愛情を充分に感じられてこなかった方々、ということになります(念のため、これは「あなたが誰からも愛されてこなかった」という意味に直結しません。仮にそうだったとして、それはあなたの価値・存在を否定するものではありません)。日本では生きづらさを抱えていると、「弱さだ」などと非難されることがありますが、これらは共有された妄想に過ぎません(関連記事:「妄想共有能力」)。生きづらさは決してあなたの責任ではなく、環境による化学反応だと考えられます。
この生きづらさを紐解くと、要因は、あなたの超自我(潜在意識、脳)が、「愛情を感じられない世界のルール」を学んでしまったことだといえます。
具体的に考えてみましょう。「優秀でなければ、お前に生きている価値はない」という言語的・非言語的メッセージの中で育つと、人は自分と外界とのバランスを保つため、これを自分でも言い聞かせるようになります。「私は優秀でなければいけない」「生産的でない僕に生きてる意味なんかない」これは常に自分をいじめ、追い込んでいる状況です。程度の差はあれ、これが苦しんでおられる方の根底にあるのではないでしょうか。「自分には価値がない、人間は皆敵だ」という感覚を有する不安定な基盤が、生きづらさを感じさせ、上記したような症状を引き起こしてしまうのです。
3. 改善方法、理由は単純
生きづらさの原因が不安定なこころの基盤であるなら、こころの基盤を整えればいい、という理屈になります。そして既に見たように、そのこころの基盤を形成するのに必要なのは、無条件の愛情を感じ、安心の中で過ごすことでした。であれば、あなた自身があなたに優しく接してあげることは、有用な治療法となります。あなたと一番多く接し、一番多くあなたにメッセージを投げかけているのは、あなただからです。
自身に(無理のない範囲での)ポジティブな言葉を言い聞かせるアファメーションも、同じ原理だと考えられます。潜在意識の書き換えを狙っているのでしょう。
これら手法が効果を発揮するには、時間がかかると言われます。しかし、大人になっても脳が変化していくことも証明されています。充分に改善は望めます。
4. 自分に優しくする方法
自分に優しく接する習慣を身に着け、こころの基盤(潜在意識・脳)を整える重要性は分かりました。では、優しく接するとは、どのようなことなのでしょうか。
主に、自身に対する言葉がけと態度を優しいものに変えることで、自己受容し、人生の主体性を取り戻すことを目指せばいいようです(不安定な状態とは、自分を疎かにし、他人にどう思われるかで生きている状態)。自分を認められるようになると、更に自己肯定感が自身の欲求に沿った生き方を可能にしてくれます。また、自己肯定感こそが幸福感そのものだとする考えもあります。
イメージとして、自分が自身の理想の両親になったかのように、未だ子どものままの自分と接するのが有効です。いくつか具体例を考えます。
①愛しているというメッセージを伝える
実際に声を出して、もしくはこころの中で、自分の名前を呼びながら、「○○、大好きだよ、愛しているよ」と伝える
②感情を否定しない、優しい言葉をかける
どのような感情も決して否定せず、受け容れるようにします。「○○は今、そう感じているんだね。これまでのことを考えたら当然だよね。」「○○、辛かったね、よく頑張ってきたね。」主にネガティブな感情に囚われた時にやってみましょう。
③誰よりも大切な人として扱う、もてなす
「自分は今何を食べたい?」、「自分は今どうしたい?」と、自身の素直な欲求を汲み取ろうとします。社会的・金銭的な制約もあるので、全ての欲求を実行に移すことは難しいと思いますが、自分を大切にもてなす習慣を身につけていきます。
おそらくあなたは、あなたの大切な人や小さな子どもに、無理をして仕事をさせたり、自由時間を与えなかったりしないはずです。「今は自分だけだから」、「自分が我慢すれば解決するから」、「自分は馬鹿だから人の何倍も努力しなくちゃ」といった考え方の癖は手放していきましょう。
自分に優しくする習慣を身に付けることで、あなたがより嬉しい毎日を送れたらと願います。
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