1. 今だから思う美味しんぼ
「美味しんぼ」のアニメを、今YouTubeの「美味しんぼ公式チャンネル」で観ることができる。子どもの頃を懐かしんで拝見しているのだけど(おもしろい)、今の自分だからこそ強く響いた点が2つあった。①「作品の、批判を恐れない姿勢かっけえ!」が1点、②「海原雄山(主人公山岡士郎の父)、親として機能してない…」がもう1点…
2. ①「作品の、批判を恐れない姿勢かっけえ!」
美味しんぼでは、今の感覚ではちょっと心配になるくらい、政治や企業、製法に対する考えを、真っ向からぶつけている。名前を多少いじってあったとしても、「あの会社(製品・政治問題)のことじゃん…」と簡単に分かるレベル。多分、版権等の問題で名指しできないだけで、隠すつもりもないのだと思う。なんで、今はそれをできる団体や人が少なくなったんだろう。誹謗中傷は社会にこんなに溢れてるのに。
ぼくがブログで訴えていることもそうだけど、たとえ事実がどうであれ、何がいいとか悪いっていうのはあくまで個人の価値観を出ることができない問題なので、仮に自分の意見が真っ当(事実、正義)だと証明されているからといって、相手をボロクソに言っていいということにはならない。けど、言わなきゃ誰かが苦しみ続けるようなことがあるなら、誹謗中傷にならないように気を付けながらも、やっぱり言わなきゃ、どうにかなるものもどうにもできないし、生きづらいまま我慢するしかなくなる(最悪自殺に追い込まれる人もいる)。細心の注意を払っても、批判することはどうしても軋轢を生むし、そのリスクを負ったところで社会に理解してもらえる保証もないわけだけど、できるなら、自分も最後まで自分の考えを発信できる人間でありたいと思わせてくれた。
3. ②「海原雄山(主人公山岡士郎の父)、親として機能してない…」
海原雄山に対して、「子どもに甘い」というコメントも見受けられた。多分、士郎に対する冷たい態度とは裏腹に、まるで士郎の肩を持つかのような言動を取ることがあるからだと思う。(後、人間は強い力を持つ人間に好かれたいという心理が働きやすく、ちょっとしたことに理由をつけて、その人に媚びているわけじゃない、自分の価値観で尊敬してるんだ、と自分に言い聞かすことがある。不良の優しさにだまされたり、理不尽な教師を美化したりするのも、そういったケースが多いのかもしれない。)でももし仮に、それが子どもに対する親の愛情だったとしても(作者がそのつもりで描いているとしても)、子どもにあれだけ親を恨ませている時点で、親とては機能してない。
「教育の理論」でも書いたけど、大事なのは親が子どもを愛しているかじゃない、子どもが愛情を感じられるかだ。安心の中で育てなかったから、本当は一番に愛してほしかった(その役割を担うだろう)親を、誰よりも恨まざるを得なくなる(期待に対する怒り)。これは甘えとかではなくて、そうしないと子どもは自己肯定感も育たず、人間不信に陥り、社会生活が送れなくなるからだ(だから子どもは食べ物を求めるように、親に愛情を求める)。作者の方が親子関係に対し、どこまで科学的視点を持って描かれていたかはわからないけど、士郎が人との関係を築けるのは、父親以外の人から愛情を感じ育つことができたからだろうと思う。時に士郎が、親から問題なく愛されて育った人よりもずっと、他者に対して思いやりのある行動を起こせるのも、愛情の大切さを痛感して育っているからだと捉えることができる。(時々漫画なんかで、内気で自己肯定感の低い主人公の親が明るく愛情深く描かれ、友達にも恵まれている…といった設定を見かけることがあるけど、あり得ないとはいわないまでも、不自然過ぎるとは思う。)ちゃんと素直な愛情・安心感を得て育った上で、雄山の「子どもに甘すぎる」言動があるなら、士郎もそれを安心して受け取れるだろうけど、普通の脳構造を持つ人間なら、雄山を拒絶して当然だ。
現行社会における親が担うべき役割は、衣食住を与えることだけじゃない。子どもの心を健康に育てることが含まれている(教育(親)を支える仕組みは整えていかなければいかない)。けれど、何故か日本ではその視点が、「教育」において軽視され続けてきた。不思議だなあと思う。いや、その理屈はある程度把握しているつもりなんだけど、ちょっと考えればわかりそうなことを、人間は「赤信号、みんなで渡れば怖くない」をして、歴史を繰り返してきた。そのことだって理屈では理解できるんだけど、やっぱり納得できないというか…。人間という生物の性質上、どこまでいってもそれを可能にできないのだろうかと、落ち込んでしまうことがある。…いや、だからこそ、ぼくは「妄想共有能力」について発信しているわけで、うん、落ち込んでも得しないよね…!(言い聞かせ)
4. 海原雄山さまへ
兎も角、雄山よ、どこかのタイミングで知ってくれ、子どもを能力(役に立つかどうか)で評価し、その育成を主軸とするようなことは、親の仕事というよりも、むしろ子どもの発達にとっては危険な行為なんだよう。たとえそれで士郎がこれから「成功」を手にしたとして、それは大人になった士郎のメンタル(能)にもプラスにはならないんだよう。
主な参考文献
・美味しんぼ 公式チャンネル【デジタルリマスター版】 YouTube https://www.youtube.com/@Oishinbo/featured 2025年3月7日視聴
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