※本記事は、内容の方向性は保ちつつも、少し趣向を変えてお送りしようと思います。率直なご意見をお聞かせいただけると嬉しいです。
思いやりのない人、嫌な人は放っておけば良い?どうなってもいい?自業自得?死にたい奴は死なせてやればいい?
人の形成される過程を科学の視点(まずこちらをどうぞ→「教育の理論」)で理解すると、それは「肌が黄色い人間は殺してもいい」っていうのと、何も変わらない言い分だと分かる。自分に取って嫌な人を、友達や恋人に選べと言ってるわけじゃない。その人たちを助ける仕組みを作り、社会で受け容れてもらえるような状態(心が満たされ安定した状態)にする必要(責任)があるって話。それが医療だったり、福祉だったりの支援。それなのに、日本では今それを全部、自己責任だとか言って見捨てたり、排除したり、隔離したり、死刑にしたりしてる…(日本の支援は、本当に必要な人にこそ機能していない)(「先進国の日本でそんなこと起きてるわけない!」っていう方はまずこちらをどうぞ→「専門家に頼れない?心の問題」)。
ひどい環境で育った人は何をしてもいいと言いたいのではなく、なぜそういう状態に陥ってしまっているのかという視点が欠けていると主張してる。学校現場でも同じ、問題を起こした生徒を責めて叱って反省させて、問答無用でルールを押し付けるんじゃなく、何がそうさせているのかを考えなければ、教育がその子どもを見捨てたのと同じ。(たとえ「見捨て教育」で生徒が社会的に成功しても、健全な心身の育成ができてなければ、その子は一生自分の人生を自身の欲求に沿って生きられなくなってしまう可能性がある。)
たまに、「どんなに厳しくしても愛情は伝わる!その証拠にみんな自分を好きになってくれる!」と主張する人がいるが、それは「独立して生きられない」と認識する人間の脳が、怖いもの(有力者・グループ)に取り入ろうとしてるだけだと考えられる(屈服する自分を認めたくない無意識が、対象を好きになる理由を無理に見付けさせることも。過剰適応)。人は、自分の気持ちを無視して怒鳴るような人間を心から好きになったり尊敬したりはしない。人間の心(脳)の反応はシンプルで分かりやすい。皆それまでに学んできたことが違って、無意識の欲求や抑圧された恐怖など、本人も自覚できないベクトルが絡み合うから、結果ややこしく見えるだけ。糸を解くことさえできれば、どの人間の反応も同じようなものばかりと分かる。だからどこにいっても同じような人間がいて、同じような関係がある(どの学校にもジャイアンがいてスネ夫がいるように)。そして同じような人間には、同じようなバックグラウンドとそこからの学びがある(だから、恵まれた環境にある家庭では、親が貧乏人の友達を作らせない、みたいな思想が生まれる。「どうせ貧乏人の家に育った人格(思想や文化)だから」、って)。
遺伝子なんて、大きな枠組みで捉えたとき、人間みんな大差ない。それなのに、今は変えられる環境にフォーカスすることを「甘え」だとして、個人の遺伝子や魂みたいなもののせいにする。いや、遺伝子は兎も角、魂なんか存在すらしてねえから(遺伝子も、誰一人自分で選んでないのになー)。「甘え」信者に対し、それは精神論だと指摘すれば、「ひどい!攻撃された!」とか言われることがあるけど、事実、精神論は精神論だろう。ひどいのはどっちだ?発達に必要なものを与えられず苦しんでる人を見下し、見捨て、自業自得だと吐き捨てる。いい加減目を覚まして。特に、何で教育を学んできたはずの人間すら理屈が分かってないんだ、何のための科学的な知識だよ、大学の教授すら…!(いや、それも環境なんですけどねー。)その割には自分の子どもを公立校に入れようとしないところを見ると、本当には気付いてんのか?と疑う(そっちのが質悪いわー…)。
残念だけど、そんな彼らを含め、人間は自分で人生を選択してないんだよ、大好きな人に、「あなたを愛しています!」とか言われても、そのあなたはあなたが作ったんじゃないんだよ。悲しいけど。人生の終わりから見れば、誰の道も1本しかない(ただ、それを嘆かなくてもいいとぼくは思う。それでも、迷ったり努力したりする余地がある、と思えるでしょう?健全なメンタルに必要なのは、選択肢があることじゃなく、選択肢があると思えることだと思うから)。だったら、自己責任なんて誰の人生にもあり得ないんだよ(個人的な恨みや感情はあって当然、すべての人を、社会の仕組みで支えればいいってだけの話)。そして自己責任のない社会は、誰の人生にも優しい社会になる。優しい社会は、1日60人の自殺や140万のひきこもりを生み出したりしない。全ての子どもを健康に育て得る社会。そしてかつて子どもだった全ての大人を救済できる社会(自殺やひきこもりは、どの国でもこんなに多いわけじゃない、そしてそれらが多い国には共通点がある)。
今苦しんでいる人たちに、社会に、ちゃんと打つ手はある。ぼくが思うよりもすごいのを考えてくれる人なんて、絶対に沢山現れる。今は理論が分かってないから(浸透してないから)、精神論から離れられてないから、政府の取り組みまで迷走してる。一部の人だけを救おうとして、残りは切り捨ててることにも気付かず(もしくは知った上で)自己満してる、「このままいけば日本の未来は明るいよ!」、いや、ならねえから。まず、現実を見てくれ、困ってるのは子どもとか家族がいる人とかだけじゃない。そもそも人を条件で選別する思想が廻りまわって現状を招いてんだぞ、本末転倒だろうが。
文化(価値観とその様式)は妄想で構築できてしまうもの。それらは、事実だから・素晴らしいからという理由に限って受け継がれていくわけじゃない。人には、アイデアにおいても群れを作る習性が備わっている、というだけのこと。
…とか言ってる間にも、60人が死ぬ。社会が、ぼくらが殺している。これは比喩じゃない。
社会にある妄想に気付こう、この現実を直視しよう。
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